考察、しかし崩れつつある。

「この店は持たないだろうな……」

 

 どうも! ススキノの父です。

 

 酒屋で働いていると『初回納品』という業務をすることがあります。

 それは読んで字のごとく、オープン直前に棚に並べる酒類を纏(まと)まった量を納品するんんですよね。

 

 そりゃあ

 

 よほどオーナーが嫌われていない限り、オープン日から一週間は友人知人が顔を出すので、ある程度お酒やソフトドリンクのストックを準備しておく必要がありますからね。

 

 それもあって、

 

 なんだかんだでワタクシも多くの新規開店する店に関わってきたわけですが、数をこなしているうちに一歩踏み入った時点で長く続きそうな店と、半年以内に立ち行かなく店というものが肌感でわかるようになりました。

 

 とはいえ、

 

『その根拠は?』と言われても普段、理論で構築しないと動けないワタクシとしても、こればっかりは何とも言えないんですよ。

 本当に『肌感』としか言いようがありません。

 一つ言えることと言えば、初回納品に大量の酒を持って行き一歩入ると店内の空気が

 

 どんよりしている。

 

 オーナーさんやスタッフさんの対応は柔らかいのですが、店内の空気が対流をしていないんですよね。

 それは内装にお金をかけているか、かけていない等は関係無いんです。

 本当は『こういった店作はマズいよ』と明示出来たのなら読んでいる方もスッキリするかもしれませんが、こればっかりは『酒屋の勘』としか言い表しようが無いので申し訳ない限りです。

 

 が、

 

 10年ちょっとの酒屋生活で一度、見事に大外ししたことがあります。

 それは現在でも元気に営業している上、じわりじわりと店舗拡大をしているため、実名は出せませんがワタクシ、その店の初回納品に関わっております。

 

 まぁ、

 

 どんな店かというと当時、あまり市民権を得ていなかったサブカルチャー、いわゆる一つのアニメや二次元が大好きな『オタク』と呼ばれる人をターゲットにした店ですよ。

 その頃のススキノはサブカルチャーを売りにする店が皆無でしてね、ワタクシ含め初回納品に携わった人は

 

『ススキノで生き残って行くのは難しいんじゃないか』

 

 という評価を下していましたし、自身も2年以内には潰れるんじゃないかと踏んでおりました。

 ところがですよ、件(くだん)の店は昨今のコロナ渦の中でも今では三店舗を抱える大所帯になった上に本店は元気に存続しております。

 そんな経験を踏まえつつ、ここ数年ススキノでは

 

 何かに特化した店

 

 というものは強いなと感じております。

 ちなみに、ワタクシの店も煙草特化という名目で店を出しました。

 オープン前は周りの人から

 

『シガーバーは絶対失敗するから止めた方がいい』

 

 とか

 

『葉巻じゃなくてパイプタバコ特化は無理だって』

 

 とか

 

『このご時世にタバコで売るとか気が触れてる、間違いなく半年持たないね』

 

 とかとか、

 周りの強い反対を受けつつ知人の評価的に『絶対に1年は持たない、くどいようだが絶対にだ』と散々の言われておりましたが、なんだかんだで周囲に恵まれつつ皆様のご支援もあり、『喫煙者の楽園』と銘打った当店『ひいじいCAFE』はススキノの中では規模や売り上げ共に弱小ながら

 

 来月で丸5年を迎えます

 

 というのは10月分のテナント料は確保しているため、ワタクシが来月が終わるまでに何らかの不慮の死を遂(と)げない限り5周年は確実なものとなりました。

 

 と、

 

 新たに出店ということに限らず持つ持たないはコンセプトの重要性は昔と今では大きく違っているのかもしれませんね。

 これはススキノに限ったことでは無いとは思います。