ひいじいCAFEランニングブログ

日々のランニングの記録です

一人の男がバーのオーナーになるまで。 その20(後編)

 プレオープンは無意味でした。
 
 どうも! ススキノの父です。
 
『いやー、のっけからマスター、多くの人を敵に回しそうな発言してんなー』
 なんて思われそうですが
 
 ちがうのー! 逆なのー!
 
 ワタクシはオーナーとしてヘナチョコ野郎、他の方とデキが違うんですよ。
 そりゃ従業員を抱えていたら実際にお客さんが入った時の連携を確認せにゃならんと思われますし、お客さんを潤沢に数持った状態で始めるのならば開店初期は多くの方がお祝いに駆けつけ、忙しくなる未来が見えるので練習は無駄にはならんでしょう。
 じゃあ、一人で経営する5坪の店であるワタクシの場合はどうして無意味だと思ったか、まず一つ目
 
 人選の失敗。
 
 プレの日にワタクシ、友人知人を呼びました。
  ただ、人間的に〜とか、性格的に〜というわけではありません。来てもらった方々はススキノに出るどころか普段、外飲みを全くしない方々でした。
 最初はこちらとしても『たまに来てくれるかな?』なんて淡い期待をしていたものですが
 
 5年間一度も顔すら出さず。
 
 今考えると当たり前、とはいえ、いやらしい考えですが商売人としては当然の思考でして、当時のワタクシにとって予想外でした。
 ススキノの常識で、本オープン前にプレをするのは当たり前ですよ、ってのは認識しておったのですが、友人知人を呼んで振る舞うってことしか知らなかったんですよね。
 
 結局、
 
 将来に何も繋がらないにも関わらず労力を割いて、ただただ飲ませてただただ食べさせただけ。
 中には呼んだ人に勝手に付いてくる人もいらっしゃいましてね、『タダで飲み食い出来てラッキー☆』くらいの認識だったのが見て取れて嫌な思いをしました。
 今後に全く繋がらないというのは、商売としては最悪の部類ですね。
 
 まぁ、
 
 それは仕方ないとします。
 多少なりとも実際のところ練習になるっちゃあなったのですから。
 で、一番最悪だったのが
 
 上から目線のダメ出し。
 
 オープン後もこんなことは山ほどありましたが、ほぼ全て役に立ったためしが無いこの不思議よ。
 この時も言われた内容は今となっては全く覚えておりません。
 覚えているのはただただ嫌な思いをしたってことだけです。
 結局、
 
 大してアドバイスになってなかったってことです。
 
 もしくは、見当違い。
 そんな役に立たないアドバイスというのは、もっと悪い副産物を生じさせます。
 確固たる自信を持てないところで変にノイズを入れてしまうと、自分なりに店の方針を決めているのに、『これは間違っているのか?』という余計な思考に陥ってしまいまうんですよね。
 すなわち、変に考え込んでしまうので
 
 ブレるんです。
 
 しかも、本当に役立っているのなら強烈なエピソードと共に覚えているはずなんですよね。
 記憶から綺麗さっぱり消えているということは5年続けるためには
 
 どうでもいいことだったってことです。
 
 それもあって、ただただ飲み食いさせて、ただ嫌な思いをするのならやらん方が良かったという結論に達しました。
 ……なぁんて書くと
 
『いやー、練習しないと本番で苦労するのは当然だから、それはちょっと暴論じゃね?』
 
 確かにそうかもしれません、
 でもね、どっちにしろお客さんを相手にして無駄に失敗したり、怒られたりするんですよ。
 間違った接客でお客さんが二度と来なくなるケースもあります。
 とはいえね、プレをしたからそれを100%防げるか? というと
 
 無理です。
 
 実際に接客してる上で失敗したりした経験から真剣に学んで少しづつ改善してゆくんです。
 ですので、下手にプレオープンイベントやるなら家で寝てたほうがまだマシです。
 睡眠をちゃんと取ったほうが健康にも良いですしね。
 
 とまぁ
 
 恨み節的なことを書きなぐってきましたが、『それでもやっぱりぶっつけ本番は……』って方もいらっしゃると思います。
 気持ちはわかりますし、ここまで強気な事を書いておきながらプレオープンについて全く否定しているわけではないんですよね。
 ですので、大事なことを三つだけ
 
・出来る限り少人数
・呼ぶのは付き合いが長く、本当に親身に思ってくれている人
・オープンしようとしている地に足を運んでいる実績があること
 
 肩肘張らず和気あいあいと意見交換しながら、本番に向けて実践練習をするのが良いのかなと思ってます。