克服。
キノコの存在価値がわからない。
どうも! ひいじいCAFEミッドナイト通信ですよ。
ワタクシ、小さい頃はかなりの偏食でした。
食べられる物が少なすぎたんですね。
どのくらいかというと、何かの折に弁当が配られたとします。今では大喜びする『幕の内弁当』ですが、当時は食べられないオカズが8割と今思えば勿体ないことをしていたなぁと思う次第です。
その中で特にダメだったのが
キノコ。
料理する人には使い勝手が良いのか何にでも顔を出します。
とはいえ、食べ物を残すと親の無言の圧力が凄かったため、噛まずに丸飲みしてお茶を濁していた記憶がありますよ。
と、
そんな人生に転機が訪れたのは今の嫁と付き合って同棲を始めた頃です。
料理が得意な嫁が炊事を担当してくれたのですが、大のキノコ好きだったのとワタクシがキノコが苦手と伝えていなかったため食卓には頻繁に上がってきました。
とはいえ、
人が作ってくれたものを残すという思考が無かったワタクシ、最初は無理矢理食べていたのですが、食べ慣れてくると不思議なものでそのうち
あれ? キノコって旨くね?
と、思うようになってきました。
そうするとほとんどのキノコが美味しく感じられるようにはなってきたものの、ラスボスがおりました。
それは
椎茸。
特に煮付けたものが苦手でしてね、噛んだ時にジュワっと出てくるあの独特の味がもう、どうしても無理だったんですよ。
しかしそれも意外なところで転機が訪れます。
とある地方でやっていた夏祭りイベントのこと、焼き台を貸し出しており、出店で買った食材を自由に焼いて食べていいよ的な催しがありまして。
その中に肉厚の椎茸が売っておりましてね、嫁の提案で事前に用意してあったバターと絡めて焼いたところ……
絶☆品
このことで全てのキノコ類を克服することとなりましたとサ。
とまぁ、ここで話は終わりません。
そこからワタクシのキノコ愛が止まらなくなりましてね、どうせなら好きな物だけ投入した
キノコだけ鍋
を、やりたいと嫁に提案したんですよ。
内容としてはキノコ以外は投入しない。そんな鍋を。
ワタクシとしては無類のキノコ好きだし、手放しで喜ぶだろうと思っていたら意に反して難色を示しました。
『んー……やってもいいけど肉は入れよう』
「そ、そうかい?」
とりあえず肉は入れることにして意気揚々とスーパーでありとあらゆる種類のキノコを買い漁り肉と一緒に鍋に投入して丁寧に蓋をして煮込むこと数分。
で、その後「そろそろいいかなー?」と、蓋を取ってみたら
全てが茶色い鍋が出来上がってました。
食べてみると確かに美味しいのですが、彩(いろどり)が悪すぎて食欲がそそらない。
うーむ……と唸るワタクシに嫁が言いました。
『ね? 彩って大事でしょ?』
なるほどなぁ。
料理は見た目も重要とはよく言ったものですよ。
と、
そういえばとキノコに関して嫁に聞きたかったことがありましてね。
付き合った当初、どうしてちょいちょい食卓に上げたのかということ。
そうしたら
『あー、キノコ嫌いな人って世の中に居ないと思ってた』
……なるほど。
まぁ、そのお陰で今のワタクシがあるのでまぁいっか。