ひいじいCAFEランニングブログ

日々のランニングの記録です

大人の読書感想文

『意図せず罪を犯して流刑になったけど生活レベルが上がっちゃったわって思った男の経緯を聞いた下級役人の話』

 

 どうも! ススキノの父です。

 

 お題が『読書感想文』ということで、面白そうだなと思ったので便乗することにしましたよ。

 で、今回ご紹介する小説は

 

 高瀬舟森鴎外

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 数ある小説の中で、ワタクシが一番好きな物語です。

 初めて目にしたのは高校の国語の教科書でした。巻末に掲載されていた上、短編小説なので授業で触れられることはなかったのですが、自身、感じたことは短い物語の中に二つのテーマがうまいこと入れられているなと、これはすごいなと思ったんですよね。

 で、件のテーマとは

 

安楽死ってどうなのよ』ってことと『幸せって何か』

 

 です。

 最初の『安楽死』については様々な意見がありますね。

『自分の命くらい好きにさせてくれや』っていう方もいれば『生きているだけで丸儲けだから大事にしなよ』っていう方もいらっしゃいます。

 双方の意見を理論的に記したものを読むと各々筋が通っているようにとれて、どっちが正しいとか間違いとかわからなくなってきますね。

 

 現状、

 

 日本では安楽死は禁止されておりますが、海外に目を向けると合法ですよという国もあります。

 将来的にはどう変わってゆくかは見守るしかありません。

 そして、もう一つのテーマ

 

『幸せって何か』

 

 についてです。

 作中で罪を犯した男は描写で読み取る限りキャラ的に凄く善人ではありますが、日々生きてゆくのに不自由するくらい困っているくらい超貧乏です。

 男が役人に状況を説明する場面があるのですが、島流しされるにあたり200文(現在でいう4000円くらい)を国から支給されたという行(くだり)があるのですが、男にしては大金らしく、いやはや将来的にどう生かしたものかと役人に言う場面があります。

 

 で、

 

 現代人は勿論、当事者の役人にとっても感覚としては大した金額でしかありませんが、男にとっては大金という感覚です。

 こういった感覚があるということが当時のワタクシとして衝撃でした。

 それは

 

 満足する明確なゴールは人それぞれ。

 

 ということ。

 上を目指せばキリがないし、その逆もしかり。

 人生における『これでよい』と思える着地点を決めるということって、もしかしたら大切なことかもと思いましたよ。

 そんなことを胸に抱きつつ

 

 現状、

 

 ワタクシはアルバイトをしながら年商300万前後の飲食店を経営しております。

 同業者から今でも言われるのですが

 

『隙あらば店を大きくしてもっと儲けたいとか思わないの?』

 

 とか、

 

『複数店舗を持とうとか思わないの?』

 

 とかとか。

 確かに世間の流れは経営者ならば、どんどん事業拡大して売り上げを伸ばし裕福な生活をするのが一般的でしょ? 的なものは多少ありますが、自身が思うのは

 

 必要以上に儲けるのは面倒くさい。

 

 マイホームを持ちたいとも高級車に乗りたいとも微塵も思ってません。

 ワタクシが求めるのは狭い安アパートに住みつつ車は軽自動車でも全くかまわないし、それ以上は望まない。

 一つだけ望むとするならば休みの日に大好きな酒を大好きな嫁と飲めるだけのお金を稼ぐことだけ出来れば十分だと、それ以上は何も望まない。

 そんなことを思ってます。

 てゆうかねぇ、大金を動かすのって結構ストレスもかかりますし、とどのつまり

 

 面倒なんですよ。

 

 自身、行く職場行く職場人間関係がうまくゆかなかったのもあり転職経験が多く現在に至るまで色々ありまして、子どもなんて作ってられんわいと思い、嫁と将来について色々ディスカッション(討議)した結果、なるべく努力はぜず己の中では優雅にふわーっと生きることにしましたところ

 

 気分が楽になりました。

 

 まぁ、何が正解かはわかりませんが、ワタクシは今現在に満足しておりますよ。

 ……という、そんな読書感想文でしたとさ。