禁句。
お題「#応援しているチーム」
『おい、ちょっとバイトしてみないか?』
ちょうど二十歳になりたての頃、大学のサークル仲間から声をかけられました。
仕事の内容は酒類を伴う接客業、いわゆるひとつの夜の店、だったんですよねぇ。
どうも! ひいじいCAFEミッドナイト通信ですよ。
連れて行かれた店は大きく分類すると『メンズバー』と呼ばれるものでした。
平たく言うとスナックと接客の仕方は全く変わりませんが、店員さんが全員男というだけなことですね。
で、
バイト初日、若いオーナー兼マスターから色々と接客する上での注意事項を教えて貰いましてね、その中の一つに
『お客さんと野球、政治、宗教の話はするな』
と、いうものがありましてね、何でかわからなかったワタクシ、理由を聞いたところ返ってきた答えは
『必ずケンカになるから』
当時は「なるほどなぁ〜」くらいにしか思っておりませんでしたが、マスターがするなと言うならするわけにはいきませんよね。
そんなこんなで何となくそのことでトラブルが無いまま数ヶ月が過ぎた頃
事件は起こりました。
いきなりお客さん同士が掴み合いのケンカを始めてしまったそうです。
ワタクシ、幸いなことにバイトが休みの日だったので、現場には居合せなかったのですが、出勤していた友人に聞いたところ結構酷いことになったみたいです。
で、その原因が
贔屓の野球チーム。
当時、北海道には野球チームが無かったんですよね。
なので、テレビで一番報道されていた巨人ファンという人が多かったんですよ。
例に漏れず父親も巨人贔屓でしてね、試合で負けると露骨に不機嫌になっていたのも今では良い思い出ですよ。
一方、
ワタクシは野球というものに興味は全く無くて、名前を知っている選手といえば今ではレジェンドと呼ばれる方々くらいです。
で、そんなときにこんな事件。
これは困った。
今まではたまたま野球の話を振られなかっただけで、これから間違いなくこういうシチュエーションになるだろうと。
ワタクシなりに考え抜いた結果、好きな球団を聞かれた時は必ず
「ロッテです」
って言ってました。
理由はただ何となく、当時はセ・リーグの試合しか放送されていなかったので、大概そこで会話は終了します。
しかし、
中にはそれで終わらず『セ・リーグで言うと?』なんて食い下がってくるお客さんもいましてね、そんな時の答えもちゃんと用意しておりました。
「広島カープです」
兄が広島好きなこともあり、多少選手を知っていたので好きな選手を聞かれても何とかなりましたし、北海道では割とファンが少ないというのもあり、会話終了。
そこには1年ちょっと居りましたが、この受け答えでトラブルになることは無かったですねぇ。
まぁ、
今では北海道に球団を抱えるようになったので、日ハムって答えていれば無難かなぁなんて思ってますよ。
その後時は流れ、若い頃あれだけ興味が無かった野球ですが、オジサンになって思ったんです。
日ハムが調子良いとちょっと嬉しい。